あたしはファンタジー物の小説をよく読む。その世界に入り込むのが好きだから。 ……入り込みすぎて、まわりの音が聞こえなくなっちゃうんだけどね。 「おい…」 誰かあたしのコト呼んでる…? 「おい、坂井…」 「……えっ?」 声の方に振り向くと、そこには高邑が。え?あたしを呼んでたのって高邑? 「え…あ、呼んだ?」 「さっきからずっと」