………でも、いい加減離してほしい。
なんだか駿君にも悪い気がしてきた。
「……離して?」
「ああ、わり」
あ、いつもの口の悪いお兄ちゃんだ。
お兄ちゃんは、こうじゃないと、ね。
「なあ、どこに泊まってたわけ?」
………なんて、答えよう。
友達とも言えない。
駿君は友達じゃないもん。
彼氏…、なんて言ったら、
お兄ちゃんなんていうんだろう。
「なあ」
「……………彼氏」
お兄ちゃんの迫力に負けて、
ボソッと答えたあたし。
すると、お兄ちゃんの瞳が変わった。
「はあ? ごめん。 よく聞こえなかった。」
「……っ だから!彼氏のとこだってば………キャッ」
え、何?
何が起こってるの?
あたし、お兄ちゃんに押し倒されてるーー!!!!

