「お、お兄ちゃ「心配、した」 あたしを抱き締めるお兄ちゃんの力が少しだけ強くなって、何もできなくなった。 「今までこんなこと、なかったから。」 お兄ちゃん。 それは、なんで心配だったの? 兄妹だから? それとも… 「ちゃんと、電話したじゃん…」 「どこに泊まるのかとか聞いてないのに、切っちゃうし、掛け直しても電源入ってないし」 そうだった。 あたし、あの電話から電源切ったままだったんだ。 「…………ごめん」