シングルベットは2人では狭くて肩と肩が触れ合ってた。
だけど、お兄ちゃんはこんなのにはドキドキしないし、普通になれてるんだろうな、
って考えたら、
心の中が少しだけ、ぽっかり空いた気がした。
「ねえ、お兄ちゃん…?」
「ん?」
暗闇で顔は見えないけど、そのぬくもりは確かにあって。
「ううん、何でもない」
「……そ」
相変わらず、冷めてるなあ。
だけど、ぽっかり空いた心の中はだんだん温まっていって。
それが心地よくて、あたしは眠りについた。
「…おやすみ」
お兄ちゃんの悲しそうな声を聞きながら…。

