「なあ、家帰らなくていいのかよ…。」
「うん…」
「うん…、じゃなくてー…。」
はあぁぁあぁぁあ…。
と、
ため息とは認識しずらい
ため息をついた。
やっぱり、迷惑だったと思う。
駿君はなぜか独り暮らしだから、
ちょうどいいって
勝手に決めて…、
あたしってつくづく嫌な女。
「迷惑なら、帰るよ…」
カバンを片手に玄関の方へ向かおうとすると、
片腕を捕まれた。
「待てよ。」
駿君はあたしを無理矢理
駿君の方へに向けて
こういった。
「彼女が、彼氏の家に泊まるって…、
どういうことか、わかってる?」
「へっ!?」
突拍子もないことを言われて、
声が裏返ってしまった。
「な、ななな、何言ってんのっ!?」
とっさに目をそらしたあたし。
でも…、
「目、そらさないで。」
駿君の強い眼差しに
とらえられた。