「どーぞ。」
「うっわ。何これ。」
入ってくるなり、この言い草。
何これ、って多分、
この部屋に大量に広がる洋服の山だと思う。
「ねえ、これとこれ、どっちがいいかな?」
あたしはお兄ちゃんにさっきのコーディネートを見せた。
「…こっち。」
指差したのは、チェックの方。
ふーん。
お兄ちゃんはこういう服が好きなんだ。
「ありがとッ、で何?」
「あー、てかここ、お前の部屋でもあるけど、俺の部屋でもあるから。」
「ああ、そうだった。」
お兄ちゃんは自分の机から携帯と財布を取り出してポケットに入れた。
「どっか、行くの?」
「お前こそ、どっか行くのかよ。」
あたしが聞いてんのに…っ!
先に答えろっつーの!
「デートだよーっだ!お兄ちゃんは?」
「へぇー。お前がデートねぇ〜。ま、せいぜい頑張れよ!」
あたしの横を通って、
頭をぽんぽんと軽くたたいた。
そのまま部屋から出ていってしまった。
なんなのよ…。
あたしは頭を手ぐしで髪を整えて、
あることに気が付いた。
お兄ちゃんは結局、
どこにいくか、
言ってないじゃーーん!
卑怯もの!!

