え、あたし、
キスされた?


なぜかわからないけど、
あたしの瞳から涙が溢れた。



今まで築いてきた家族愛。

お兄ちゃんはそんなふうに
考えてなかったの…?

こんなふうに簡単に壊れちゃうものなの…?



違う。

それだけじゃない。



頭の中では、あたしの失ってた記憶がよみがえっていた。


その事実に、涙が出る。



………お兄ちゃん。



あたしはちゃんと
お兄ちゃんの妹じゃいられないの…?



お兄ちゃんは、
あたしのお兄ちゃんだよ。



和音……。