―ズキッ
「……っ―」
いたー…。
また、頭が…。
―ガチャ
誰か入ってきた!?
とっさのことに寝たフリをしてしまっているあたし。
なんで寝たフリなんかしてんの…?
それにしても、誰が入ってきたのかな?
その人はあたしの寝ている隣に座って頭を撫でた。
頭を撫でられることを予想してなかったあたしはピクッと手が動いた。
ばれてないよね…?
その人は気付いてないみたい。
「茅、音…。」
この声、お兄ちゃん…?
お兄ちゃんだと、余計起きにくいよ…。
さっき変な夢見ちゃったし…。
「……ごめんな」
なんのことだろう。
そう思った時には、もう遅かった。
あたしはキスされてた。
触れるだけのキス。
お兄ちゃんはもう一度『ごめん』、
そう言って部屋から出ていった。
なに…?
今の……?

