「茅音ちゃーん!!」 駿君があたしを呼んだ。 別にそんな大声で呼ばなくても…。 そう思いながら、駿君のもとへ行った。 「アルバムとか、ないの?」 「アルバム…?」 また、何ででしょう? 「うん、和音の昔も見てみたいし!!」 お兄ちゃんには聞こえないように耳打ちしてくる。 お兄ちゃんは、チラッとこっちを見たけれど、特に気にする様子もなく、テレビのリモコンに手を伸ばしていた。 「ああ、いいですよ」 あたしは急いで部屋に行ってクローゼットからアルバムを引っ張り出してきた。