女子の黄色い声で聞こえずらいけど、かすかに聞こえた。
「……お兄ちゃんだ。」
「えっ!?」
その言葉にすぐさままきえは反応した。
「どけ。邪魔だ」
……やっぱり。
相っ変わらず、口悪いし…。
この口の悪さは、間違いない、お兄ちゃんだ。
それに16年も生きてれば、そのくらいわかるしね?
まきえはお兄ちゃんの周りにいる女子をすごい顔して睨んでる。
女子に囲まれている口の悪い奴は、
だんだんゆっくりとあたし達に近づいてきた。
げっ
あたし、お兄ちゃんには学校ではあんまり関わらないようにしてるのにー。
しかもこんな人が多いとこで話し掛けられたりしたら…。

