女のみちは、険しいと言うか奥深いと言うか何とも奇妙だな。
『松岡も気を付けろよ?』
『何を?』
脈略のないことを言うもんだな、橋本は。
『どうやら、中澤は一ノ瀬さんをライバル視してるみたいだから』
『…詳しいな』
『まぁな。同じ中学だった女子に聞いた。中澤の中で一ノ瀬さんは、魔性の女になってるから』
それは、それは、大層なことで。
『妬みとも言うかな』
『こえーよ、それ』
どうやら、のばらさんが気にしていた中澤さんは裏の顔を持ったちょっとメンヘルな方のようですよ。
「ちょっ!中澤さん、何も泣かなくても…」
俺が橋本から色々と聞いている間に、教卓周辺では、これまた色々と事件が起きていた。
何故か中澤さんが泣いている。
上品にシクシクと涙を流している。
えっ。のばら、泣かせやがった。



