『ちょっ、ちょっと!そこの美男美女カップルさん!一旦落ち着こう』
昌が間に入ると、ますますのばらの顔が歪んだのが分かった。
大方、諸悪の根源が何言ってんだよと考えているに違いない。
のばらはすぐに顔に出るから分かりやすい。
『のばら、今日の放課後ちょっと付き合え』
そんなのばらの態度なんて日常茶飯事すぎて、俺もちょっとやそっとの事で動じなくなった。
人間、慣れるとそれすら生活の一部になるのだから慣れというものは、恐ろしい。
「何で?」
『選んでもらいたいやつがある』
「……何か記念日だったっけ?」
『のばらのじゃない』
あからさまに面倒くさそうにするのばらは、ちらっと昌を見るとため息をついた。
お察しがよろしいようで。
もともと、あんなに騒いでいたのが昌なのだから今の話の流れで気付かない方が変な話だ。
「…いいよ」
『助かる』
タイミングを見計らったかのように、昼休み終了のチャイムが響いて、ちりじりに自分たちの机に戻った。



