『中澤さん?』


俺は見ていた雑誌から顔を上げて、宙を仰ぐ。


中澤?中澤…中澤……。



「中澤美津子さん。同じクラスの…」



『あぁ、中澤さんね。それが?』 



寝そべっていた体を起こし、のばらを見ると何やら忙しそうにペンを動かしている。


何やってんだ?

勉強?……まさかな。のばらに限ってそれはないか。





「中澤さん、いつも1人じゃん。それ見て波留はどう思う?」



どう思うって言われても、正直のばらが言うまではそれほど気にはしていなかった。


むしろ、いつも1人なんて今知ったくらいなわけで、