それから、駅で男を取っ捕まえたのばらさんは勢い余って間接技をお見舞いしたらしい。


それで、男は重量級な体格だったため間接技を仕掛けた時にのばらは、膝はずる剥けるは、肩は外れるはで結構な代償を喰らった。




「のばら、女は度胸だ!なんて言いながら肩嵌めてたけど、あれって結構痛いんじゃないの?」




『…普通の人なら。まぁでも、のばらだから』




昔から格闘技をしているのばらは、肩が外れるのなんて癖になってしまっている。

普通の人よりは、慣れているからと言って痛くないなんて事はないだろうけど、家であんだけ夕飯を食ってたんだ。多分大丈夫なのだろう。






「のばらって強いけど、なんだか危なっかしいから心配なんだ」



『まぁ、そうだな。』



「昔から、我慢するし、弱音は吐かないし、後先考えないで突っ走るし…」



『南さん、のばらの事ちゃんと見てるんだな』



俺はそれを聞いて安心した。

実はのばらは友達は多いけど、ちゃんと見てるやつっていうのは、意外と少なかったりする。