『美智子ちゃん、何やってるんですか?』
そこには、いくら保健医だとは言え我々生徒からしたら先生ともあろう立場の方が、のばらの制服だと思われるスカートにドライヤーをあてていた。
何やってんだよ、のばらさん。
「あぁ、松岡くん。早く着替えを一ノ瀬さんに渡してあげて。風邪ひいちゃうわ」
美智子ちゃんは、自分がやってる事などさも気にしないで、カーテンの閉まっているベッドに目を向けた。
美智子ちゃん、本当にすみません。
あの馬鹿に説教喰らわせたらすぐに代わりますから。
『のばら、入るぞ』
遠慮がちにカーテンを開き、素早く内側に入るとのばらは身体に大きめなタオルを巻き付け下着にドライヤーの温風を吹き付けていた。
「あぁ、波留。ありがとう」
『あの、のばらさん?』
「ん?」
いや、分かる分かるけどのばらさん。
俺がこれから聞こうとしているのばらさんの返答も今の俺には分かる。
分かるから、別に聞かなくてもいいことなのかも知れないけど。
ここは、素直に聞いてやろう。
『何やってんだ』
「乾かしてるけど」
うん。言うと思ったよ。
確かに乾かしてるいるけれども。
粗末な身体をさらけ出して乾かしておけと言ったけれども。
それを正直に受けとるな、この馬鹿めが!
ブラとパンツくらい濡れてても、多少我慢してくださいよ。
何、本当に普通に乾かしてんの?
恥ずかしくないの、この馬鹿女。
『早くそれ、着けれよ』
「待って、まだ半乾き」
『もういいだろ、それ』
「まだ!」
『着けときゃ、そのうち乾くだろうが!』
今、この瞬間に誰が入って来たら気まずい。
別に何かをしてるわけじゃないけど、俺が恥ずかしい。



