ねぇー、お願い!お願いします、波留さまぁー。


なんて、俺の腕に引っ付いてどうしようもない顔でこっちを見てくるもんだから、正直引いた。




声のボリュームもろくに出来ない昌の情けない訴えは、もちろんクラス中に聞こえたらしく注目の的になってるわけで。




のばらを見れば、それは気持ち悪い物を見たように冷めきった眼でこっちをガン見していた。






いやいや、のばらさん。
その顔はやばいよ。





『…まぢ勘弁。』



『波留!それでも友達か!』




わんわん吠えてる昌の腕を振りほどくと、こいつは血迷った事を言うもんだから、頭が痛くなった。




今からでも、是非友達もとい幼なじみを辞めたいくらいだ。



こいつは、男のプライドってもんはないのかも知れない。