「ちょっと!それどうしたの!」


1人の女子が慌てて駆け寄る。


南 佳穂(ミナミ カホ)
のばらの親友だ。




「いや、ちょっと川に入っちゃって…」



暖かくなってきたとはいえ、まだ5月の中旬。
川遊びをするには、まだ早い。




馬鹿だろ、のばらさん。



と、何か違和感を感じてクラスを見渡せば男子の視線が全員のばらを凝視しているようだった





ずぶ濡れで教室に入ってくれば、注目されるに決まってるよな。不思議な事ではない。


のばらさん、アホだから。






『お、おい!波留!』


『何だよ』



あまりにも、昌が血相変えて振り向くから少しビビった。




『あ、あ、ああれ!』




どもっている昌の指差す方を見れば、まぁのばらがいる。