ある日の朝、クラス一同は度肝を抜かれた。



今日は珍しく俺が登校してものばらの姿がクラスにはなかった。

いつもなら、俺より早く来て友達とでも話しているはずなのに。



まぁ、そんな時もあるよな。


なんて悠長に思っていたけど、遅刻ぎりぎりの時間になっても現れないのばらに不安がよぎる。



何かあったか?


スマホを見ても、のばらからの連絡はない。


電話をしても、まったく出ない。




『あれ?のばらちゃん今日休み?』



前の席に座る昌が顔を向ける。




『さぁ?連絡ないけど』




時計を見れば、いよいよ遅刻だと思った時に教室のドアが勢いよく開いた。




そこには、担任の姿ではなく何故かずぶ濡れののばらが立っていた。