始めてのばらの笑い声が、煩わしいと思った。
『のばら、煩い。ここ弓道場。』
「…あっ、ごめん」
冷たくいい放った俺の言葉に、のばらは素直に謝り、隅でじっとしていた。
あー。もおー。なにやってんだよ、俺。
後でのばらに謝ろう。
気を落ち着かせて、黙々と矢を放つ。
チッ。また外した。
今日まだ的に当たったの5回だけだぞ。
あー。苛々する。
その後、何回か打ってみたがとことん外したまま部活が終わった。
「…波留、今日調子悪いの?」
『んー、普通』
帰り道、久しぶりにのばらとこの道を歩く。
「なんか、いつもより集中出来てなかったみたいだったから」
『…そう?』
いつもより、ってなんだよ。
なんで、のばらがそんな事、言うんだよ。
「あー、もうすぐテストだねー。嫌だなぁ」
『ちゃんと、勉強しないと赤点とって追試だぞ』
「ちゃんとしてるし。波留の方が心配。ちゃんと勉強してる?赤点とったら部活にも響くじゃん」
『……わかってる』
分かってる。
だから、遅い時間まで勉強してる。
「なら、いいけど。部活出来なくなるの、波留は嫌だもんねー」
分かってる。
のばらは、ただ俺を心配してくれてるんだって分かってる。



