今ののばらからは想像出来ないくらい、あの頃ののばらは別人だった。
学校中にその話が広がり、周りはのばらを腫れ物のように扱っていたんだと思う。
校長に学年の先生達、学級担任そして友達。
皆がそれぞれ少なからず、一線を引いていたと思う。
可哀想な子。
不憫な子。
特別な子。
あの時、普通に接してあげれたなら少しは違っていたのかもしれない。
のばらの家は、ちょっと複雑で親戚はいるけど誰ものばらを引き取ってはくれなかった。
その時からのばらは、あのマンションで一人暮らしをしている。
今こうやって、住む家があって学校にも通えてるのは、両親が残してくれたお金のおかげだとのばらは笑って俺に教えてくれた。
周りがのばらを見る目が変わってきたなかで、南さんと昌。
そして、俺だけが変わらずのばらの傍にいた。