頭をかかえて落ちこむ葵を見てあわててフォローしてくれる降谷さん。
「私ね、一応名前まで聞いたの!そしたら『……アオイ』って言ったんだよ♪」
「それって…私と同じ名前の年下さんが好きだったってことですよね?」
「え!?葵ちゃんってもしかして天然?超おもしろーい!!」
とつぜん笑い出した降谷さんについていくことが出来ない葵。
葵って…天然なの?
降谷さんは笑い終わった後、葵の髪をくしゃくしゃとなでて
「自分で結城に聞いてみなよ。おもしろいから私の口からは言わなーい♪」
っていじわるな顔で笑う。
降谷さんの言いたいことが、いまいちよくわかんない。
葵はこれから大翔くんと会ってみればわかるってこと?
「葵ちゃん、今度どうなったか聞かせてね♪」
って私の背中をおした。
それって…葵にもまだチャンスはあるってことですか?
子供は子供らしく自分勝手でいいってことですか?
「―…降谷さん…ありがとうございました!」
「いえいえ。どういたしましてー…ってあれ?卵はいいのー?」
降谷さんが言いきる前に走り出していた葵には聞こえなかった。
まぁ、後で怒られることになるんだけど。

