「―…『好き』『好き』ってよくそんな簡単に言えんな。本当は大して好きでもないんだろ。」 大翔くんはゆっくり葵の前に立った。 背の高い大翔くんの影が葵をおおう。 大翔くんの手が葵の肩を触ってびっくりした葵の肩が大きく揺れた。 「…ほら、こんくらいでびっくりしてるくせに。子供がそんな簡単に『好き』とか言うな。」 大翔くんの低い声が葵の部屋に響く。 大翔くん…怖いよ? 「大翔くんは…葵のこときらいになっちゃったの?」 声が…震える。 大翔くんの目が葵を動けなくさせる。