「ハァハァ...」
私は学校からだいぶ遠くなったところで立ち止まった。
「思い出したくなんかないのに...。
泣きたくなんかないのに...っ」
そう思っていても涙はポロポロと乾いたアスファルトに零れ落ちてシミができる。
「お前、ほんと無愛想だよな!」
後ろから誰かの声が聞こえた。
「うっせぇ」
そんなやりとりながらも笑い声が聞こえてくる。
やばいっ!
人が来る!!
そう思って隠れようとしたのに...
バシッ
誰かにそれを邪魔されてしまった。
こんな顔、誰にも見せられない。
例え、赤の他人だとしても。
「お前、泣いてんの?」
そういったのはさっき
「うっせぇ」
といいながらも笑ってた人だった。
「あんたには関係ないでしょ!!」
そういって振りほどこうとしても男の人の力は強くて振りほどけない。
「は、離してよっっ!!」



