彼女が俺に気がないことも

痛いほどわかってた。


だって、翔流は呼び捨てなのに

俺の事はいつまでたっても”さん“付け


だけど、あの日


翔流と愛優ちゃんが喧嘩した日


二人のことは邪魔する気もなかった。


いや、入る隙間もないほどだったから。


あの日愛優ちゃんは泣いてた。



愛優ちゃんを泣かせてる翔流が許せなくて


だったら俺がもらってやるって思って


“俺ん家に泊まりなよ”


なんて言ってしまったんだ。