「來輝さん...」
「愛優ちゃん...。無理に言わなくていい
どうせ、いいことは言われてないでしょ?」
そういって無理矢理笑う來輝さんの笑顔は
いつもみたいに輝いてはいなかった。
きっと來輝さんも悲しいはず
なのに...こんな時にまで私に気を使ってくれる。
「...すみません。
翔流...もう長くないかもらしいです。
まだ、危険な状態には変わりないみたいで」
“話したくないから話さない”
そんな我儘言ってる場合じゃない。
ただでさえ、みんなは私に気を使ってくれてるのにそんな我儘は許されない。
「っ...そうか。
アイツらには俺から伝えるから愛優ちゃんは翔流のとこに行ってやって...」
來輝さんの目にはうっすらと涙が滲んでいた。
ごめんなさい、來輝さん
そんな顔にさせてるのは私のせい



