「私はあなたを許さない
私の大切なものを奪ったあなたを...」
あんな母親でも私は好きだった。
口悪くてたくさん傷ついたけど
たまにそっと抱きしめてくれた。
本当は優しいんだって思ってた。
「何言ってるんだ?
そんなに翔流がとられて悔しいか?」
山原はフッと鼻で笑った。
「悔しいわけない
だって、翔流の心はとられてないもの」
フッと鼻で笑った。
「いい加減にしろ、失礼だぞ!」
そういって殴りかかってきた下っ端
「愛優、危ないっ」
翔流の声がしたけど
今の私は誰にも負ける気がしない
それほど、この人が憎かった。
母親も憎いけど...
それ以上に私を捨てるきっかけを
作ったこの人が...



