「それはできない...

俺はもうお前を好きにはなれない
その代わり大輝さんをお前の元に返してやる」


それって...

翔流はいつになく真剣な顔をしていた。


「そんなことできないわよ!!
翔流になんてなにもできないの!!
所詮、総長でしかないんだから!!」


パシンッ!!


気づいたら体が動いてた。


「何するのよ!!」


花菜さんが睨んでくる。


「翔流は...真剣にみんなと向き合って総長してるの。
だから“所詮”なんて言わないで!!

それに、本当に愛してるなら
相手にどんなことがあっても離れないんじゃないの?」



“相手のため”


そんなの逃げ口にしか聞こえない。


その人を傷つけるから?


そんなのわからないじゃない。


どんなに傷ついても


好きな人といれたら十分だよ。


好きな人と離れ離れになるのが


一番辛いし苦しい。


思いやり?


愛にそんなのいらないんじゃない?