「ほら、帰るぞ」


顔を上げると、


そこには少し微笑んだ翔流が立っていた。


私には帰る場所がある──────


私を必要としてくれる人がいる────


それだけでもう十分な幸せだよ。



「...ん」


私は差し伸べた手を強く握った。


もう私はこの手を信じきっているみたい。



それから、バイクに乗り


いつものように翔流の腰に腕を巻き付ける。