「警察が来たらやばいんじゃないのか?」
そういいながら父親がニタニタ笑っている。
「翔流!」
來輝さんがそう叫んだ。
「來輝は先に行ってくれ、すぐ戻るから」
來輝さんは何かを読み取ったのか
“わかった”とだけいうと部屋から出ていった。
「か、ける?逃げて...」
必死に振り絞った声
届いたかな?
こんなところで捕まったら総長としての名が汚れてしまう。
なのに翔流は...
「愛優を置いてはいけねぇよ」
なんでそんなに私に必死になってくれるの?
翔流にとって私はただの仮の姫なんでしょ?
だったら新しい姫を見つければいいじゃない。



