「なんなんだね、君は」
父親が翔流の前に立つ。
翔流はびくともせず凛と父親と向かい合う。
「愛優は俺が貰う。」
一言いうと私の方を見た。
翔流...
こんな時までかっこいいと思ってしまう私はかなり重症。
「この人間のクズ...いや出来損ないなんかいらないだろ?なんなら穂乃美をもらっていきなさい」
人間のクズ、出来損ない...
言われ慣れてるはずなのにどうしてこんなに心が痛いの?
バンッ!!
すごい音がしたからそのほうを見ると
翔流がすぐ横にある壁を思い切り殴っていた。
「クズだと...?出来損ない?何言ってんだよ。
愛優はクズでも出来損ないでもねぇよ。馬鹿でツンデレだけど人一倍優しさを持ってんだよ。少なくともお前の娘より愛優のほうがいいよ」
殺気をうっすら出しながら淡々と話す翔流
翔流...そんなこと思ってくれてたんだね。
ほんの少し心が温かくなる。
「だまれ!!愛優はやらん!!」
なんでそこまで私を引き止めるの?
意味がわからない
奴隷がいなくなるからでしょ?



