「...誰だよ」
俺はしぶしぶ電話に出た。
『うぅっ...うぅ...っ』
すると、いきなり女の泣き声が聞こえた。
んだよ。
縁切った女か?
「お前、誰なんだよ。切んぞ」
俺がそういうと女は焦っていた。
『ま、待って...』
どっかで聞いたことあるような。
「てか、その声...愛優?」
そうだ。愛優だ。
何でコイツがこれの電話番号を?
こんなことすんのは來輝しかいねぇな。
あとでシバキだな。
『...うん。お願い、助けて。...愛優!!お前どこに!!キャッ』
「愛優!?」
そう呼んでも返事がない。
「おい、來輝!!」
「ん?」
「今すぐ愛優のこと調べろ!」
「ん?お、おう」
「なんでた...?出てこねぇ。名前と年齢しか出てこねぇよ!」
んだと!?
そんなはずねぇ...
「あの歌...あそこか!」
俺は愛優との電話の時にかすかに音楽が聞こえた。
その音が聞こえるのはあそこしかねぇ。
「いってくる」
俺はそうだけ伝えて急いでバイクを飛ばした。