「チッ、なんだよ。」



そういってあの男は去っていった。



「あの...」


「お前だから助けたんじゃない」


私がお礼をいう前にそう言われた。



わかってる...


「そんなのわかってるよ...痛いほどわかってるわよ!でも嬉しかったんだもん...!ごめんなさい。あんな事言って...」



翔琉は黙ったまま。


「あんな事言ってもう会えないと思ってた。酷いこといって傷つけたし...それでも翔琉は私を守ってくれた。それが1番嬉しかった...っ!」



私は自分の気持ちを素直に伝えた。


言い終わる頃には涙が出てきた。



いつからこんなに私は泣き虫になったんだろう。