「翔琉がこの前、寝言で言ってて私を花菜って人と勘違いしたみたいで...誰なんですか?」
私は今きっと余計なことをしてる。
でも、気になって仕方ない。
來輝さんは困ったような顔をしている。
そうさせてるのは私だ。
「桓本 花菜(かきもと かな)。
翔琉の元カノ...しか俺からはいえない」
元カノ...
それは私が思ってた通りだった。
なのになんでこんなに苦しくなるの?
ズキズキと心が痛む。
「そうなんですか。なんかすみません」
余計なこと聞きすぎちゃったな。
「全然いいよ。愛優ちゃんなら翔琉を任せられるよ」
そういって笑った。
「そんなっ...」
「いや、これほんと。そろそろ戻ろうか。」
來輝さんのその言葉で私たちは部屋に戻った。



