その日の帰り、

涙でよく前が見えない

ぼやけた瞳で見る空は綺麗さを増して

悲しさを彷彿させた


「さんざん期待させて、彼女出来たってなんだよ」


私の恋は終わりを告げたんだ。

大人しそうな、言っちゃえば地味な子。

特別可愛いわけでもない女の子に敗北…

ドラマとマンガだったら、

超絶美人とくつっつくから諦められる…なんて考えてたけど

廣田のあんな笑顔初めて見たな、


「廣田にとって私ってなんだったのかな」

つぶやいた声は強く吹いた風に乗って儚く消えた。