そんなことをぼんやり考えながら玄関のドアを開けると、



……誰もいなかった。

こんな朝っぱらからいたずら。イライラしながら扉を閉めようとすると、足元で何かが光ったように見えた。
視線を向けると、そこには小さな箱がポツンと置いてあった。
一辺が10cmほどの正方形の箱。ミルク色で表面は磨りガラスのようになっている。
いったい何かと思って持ち上げた瞬間、あたしは衝撃にその箱を取り落としそうになった。