チャイムの音であたしは目を覚ました。
重い瞼を無理やりこじ開けながら時計を見ると、午前10時。
パジャマ代わりのTシャツと短パンのまま玄関に向かう。
修が生きていたときもあたしはこうだっただろうか。
そんなことを毎日ふとした瞬間に思う。例えばバイトの後ご飯を作るのが面倒で、買って帰ろうとコンビニに入った時だとか、髪をセットするのが面倒で結べば大丈夫だろうとゴムを手に取った時だとか。
修が死んだことであたしの何かが変わってしまったのではないか―しかも悪い方に―そんな不安に襲われる。