でもあたしの中身はそんな風にはいかなかった。むしろ外側を取り繕うほどに、自分がぐずぐずに崩れていくような気さえした。
毎晩、修の夢を見た。高校の制服だったり、家に置いてた部屋着だったり、一度だけ見せてもらった入学式のスーツ姿だったりといろんな格好をしていたけれど、いつも同じ、目尻を下げて目を細めて笑う、あたしの好きな笑顔で右手をこちらへ伸ばしてくる。
その手を握ろうとしたあたしの手は、修の手をすり抜けて空を切る。
幸せな気持ちから一気に血の気が引いて、そこで目覚めるのだった。

そんな空っぽの日々が10日ほど続いた、ある日の朝だった。