「あの〜・・・」


「・・・?はい」


「すいません、この高校の二年に岡田隼人って居ると思うんですけど、クラスって分かりますか???」


「岡田隼人?うち二年だけど、聞いた事ないよ?」


「そうですか・・・・、すいません。ありがとうございました。」


(ここもバツ・・・・・)


手帳に記された高校の名前に、またバツをつける。


バツばっか。


三年になってから続けてる、
高校探し(笑)


―岡田隼人・・・・


小学校の時、二個上の先輩だった。


バスケが上手くて。
毎日、毎日、昼休みになればバスケしてた。


身長は小さい方なんだけど、
誰よりも高く跳んでた。


そのジャンプが綺麗すぎて。


格好良すぎて。


見始めたのが始まりだった。


見れば見る程、


好きになって。


好きになりすぎて。


でも、隼人君が私の事を知っているのか。・・・すら分からなかった。


当たり前のように終わる予定だった恋。


近付く事すら期待しなかった。


見てるだけの恋。


そんな言葉がぴったりと当て嵌まるような恋。


・・・・・の、はずだった。