「2人とも、ご苦労さん、もうあがりなさい」
店主のおじいちゃんが、扉を開けて戻ってきた。
エプロンをはずし、帰り支度を始めるとおじいちゃんが、
「秀平、舞ちゃん送っていってあげなさい」
「「えっ」」
和田さんと自分の声が重なった。
「嫌だよ、めんどくさい」
うん、予想通り南極のように冷たい。
「だ、大丈夫ですよ!」
私だって、いくらイケメン長身でも心の冷たさにぐさっとくるから一緒には、
「送っていってあげなさい」
「……はい」
和田さんはめんどくさそうに返事をした。
おじいちゃんの謎の圧力がすごい。
