15時~20時までのバイトは、ほとんど無言だった。
声が聞こえると言ったら、接客か注意を受けるくらいだった。
静かに棚の整理をしていると、誰かの携帯が鳴った。
「…ちょっとでてくる」
「は、はい!どど、どうぞ!?」
いろいろテンパった。
店の前で電話をしている姿が見える。
背高いなー…たしか、和田さん?っていったかな、ネームプレートに書いてあった。
絵になる電話姿に見とれていると、手元を滑らせ抱えていた本が散らばった。
「…あちゃー…」
それからは集中して仕事をしていたため、気づけばもう上がる時間だった。
