――――――――――――――……
不思議なことに恐怖心なんて全く感じなかった。まるでなにかに呼ばれてるような、、、
「クゥーン……」
ん?
なにか聞こえる…
「クゥーン……クゥーン……」
周りを見渡しても何もいない。
でもたしかに聞こえる…
「あ。」
声の主は木の幹の陰に隠れて横たわっていた。
「何これ……」
鳴き声の主はなんとも不思議な……たぬき?の様だった。
でも、たぬきにしては色が……
「真っ黒…」
「クゥーン……」
「あ、この子、怪我してる」
私は持っていたスクールバッグをガサゴソと漁りポーチから怪我をした時のためにといれておいたガーゼをたぬきの怪我部分に貼った
そしてたぬきはもう痛くなくなったのか、スタッと立ち上がり、まるでついてこいと言っているかのようにたぬきは歩きだした
「あ、まって!」
好奇心からか、私はたぬきについて行くことにした。
