コツ…コツ…コツ…
「あ、あの…どうして、私を出してくれたんですか……」
「……」
「聞こえてます……?」
「……」
「……」
何なのこの人……何考えてるのか全く分かんない。
すると、
「エリ様……!!?」
おそらくここの執事なのであろうひとがこちらに向かって小走りで走ってきた
「どうしたんだ、そんなに慌てて」
「どうしたんだ、じゃないでしょう!!なぜ女を牢から出しているんですか!」
えっ、ああ、確かに私が出せとは言ったけど、あんなにあっさり出してくれるとは思わなかった
「この女は怪しくない。スパイでもない。そう俺が判断した」
「えっ…」
「し、しかし!!」
