ジリリリリリリリリリリリ……カチャ。

「んっ…。」

私はこの瞬間は嫌いだ。一日の始まりの音。

毎日毎日忙(せわ)しく大嫌いな学校に行く準備をする。


……正直、人付き合いは苦手。いつも相手の顔色を伺ってる自分が嫌だし、何より、人からどう思われてるのか、なんて考えたくもない。

だからといって友達がいないとか、いじめられてるとかそういうのはない。


ただ、、なんというか、こう……………

「はぁ…」


「ん?またため息?ほんとみのりはいつも鬱々しいねー」


通学中私の隣ではいつものように川内 沙愛(カワウチ サナ)が、少し棒っぽい口調で話しかけてきた。

沙愛は小学生の頃からの一番の友達……だと私は思ってる、、人。


沙愛にだけはあまり気を使わなくていいから、落ち着く。


「また、学校が始まると思うと…はぁ……。」


「またそれ、みのりはいつもネガティブだからなぁ…んー。なんていうの?今日も学校頑張ろうっとかって思わないわけ??」


「…は?あんな小さなところに人がギュウギュウに入っててその中で勉強するんだよ?言ってみれば学校は監獄だよ」

頑張ろうなんて思うはずがない。



「ははっ、監獄ねぇ………確かにそれっぽいね」





そんなたわいのない会話をしながら監獄の門を通る。