突然私が寝ていたベッドのカーテンが開く。


 目の前にはいつも仏頂面の橋本一馬先生が立っていた。


「お先お邪魔してまーす」


「出ていけ。そこは病人のためのベッドだ」


「えー、私だって一応病人だよ」


 ほら、と言って、あたしは昨日部活で怪我をした腕を見せつける。


 朝、時間が無い中で不器用に巻いた包帯は、今にも取れそうだった。