第1章
〜仕事帰り〜
遅くなっちまったなぁー...毎日毎日残業で、健太もかわいそうだな。こんな時に香織がいれば健太を一人にさせることなんてないのに…。香織は、2年前、まだ健太が5歳の時だ。あの時は、健太が幼稚園の遠足の日にお弁当にどうしてもハンバーグを入れて欲しいとぐずって…それも当日の朝に。それで、最初の方は言い聞かせようとしてたけど、いうこと聞かないもんだから、香織が「じゃあ、私買ってくるよ!コンビニならもう空いてるよね?」と、車の鍵を持って出ていった。香織が出ていってから、20分もたたないうちに
警察から電話がきた。「三浦香織さんのご家族ですか?先ほど、奥さんが事故にあいました。今すぐ○△病院に来てください。」と言われた。俺は頭が真っ白になりながらも、健太を抱いて車に乗って向かおうとした。そして、車の鍵を探す。すると健太が「パパ?どうしたの?何があったの?ぼく幼稚園は?間に合わないよ?」と言われた。そう言われて俺は「今日は幼稚園は行かなくていいよ」といった。健太に話しかけられて気づいた。香織は、車に乗っていったんだった。車に乗って事故にあったのだ。そして、急いでタクシーを呼んだ。家の前で健太と手を繋ぎタクシーを待つ。そして、数分後にタクシーが来て、乗り込んだ。「○△病院に向かってください!」そして、健太とふたりで病院に向かった。