いびつに光る






ーー事の発端は、姉の失踪だった。

私と姉は一卵性双生児で、性格は全くと言っていいほど違ったが、顔は瓜二つ。

決して裕福とはいい難い家庭だったが、両親とも仲が良く、それなりに幸せな生活を送っていた。

しかし、姉はもともと身体があまり丈夫ではなく、繰り返す発熱の所為で中学で満足に勉学に励めなかったため、地元で一番偏差値が低く評判が悪い、此処西校へ入学したのだ。

私は身体の弱い姉と違う高校へ行くことがどうしてもできなくて、彼女を追って西校へ入学した。

学力の差からか同じクラスになることは無かったが、姉が楽しい高校生活を送っていることはよく知っていた。

彼女は、地元で恐れられる不良グループのナンバーワンに見初められ、彼らの女神となったのだ。

不良グループ、ジョーカーの話をするときの姉の顔は、これまで見たどんな表情より輝いていた。


「 皆はね、とっても強くて優しくて、カッコイイの!あ、でも、私のなかで一番カッコイイのは桃李だからね! 」


それは、姉の口癖だった。

昔から学校へ行ける日が少なく、友達が少なかった姉が、心から安心できる仲間。

そんな存在ができたことがとても嬉しくて、私は彼らのことをとても好意的に思っていた。

しかしーー姉は失踪した。

それも、裏切り者という看板を背負って。

心優しい姉が、そんなことをするはずがないのに。

身体の弱い姉が、今どこにいるかもわからない。

どんなに探しに行きたくとも、憔悴し仕事へ行かなくなった父とヒスを起こすようになった母を養うために働かなければならない。

学校では姉の罪の報復をうけ、家に帰れば父と母の介抱をし、夜は仕事へ出かけ、帰ってきたら預金通帳と睨み合いをする。

私の体は、ボロボロだった。