お金をとられた被害者である、

辻本亮介(お世話になっている店長)と



その犯人の黒川蓮(私の彼氏)




この微妙な間に挟まれ、

複雑な立場にいる私.............





そんな私のことを、

辻本はよく考えてくれていた。




辻本だって、

好きで被害届を出したわけじゃない。




泣く泣く出したのだ。



それはお金を返してほしいとか

そんな軽い思いではなく、






本当に蓮のことを思ってしたことだった。



こういうことは人として絶対に

やっていけないことだと気付いてほしい。



更生してほしい。



これを機にまっすぐ生きることを知って欲しい。



辻本の思いはただそれだけだった。






その思いは、果たして19歳の蓮に

伝わっているのだろうか。