店長なのにという言い方はおかしいが

しっかりしていてほしいポジションに

いるはずの辻本は時間にとてもルーズ

である。





今日もいつも通り

待ち合わせの時間になっても現れない。








「ごめん絵里奈」






そう言って半笑いな、

申し訳なさそうな、

何とも言えない表情で登場。







店長が遅刻するときって

決まっていつもこの表情をする。






華麗に20分遅刻や。







まっいっか...................









「大丈夫です。行きましょー」



と、店のすぐ近くの居酒屋に入り

いつものようにとりあえずビールを注文





と言いたいところだが、

私は飲む気分になれず、

トマトサワーを注文した。







便乗して店長も


「僕も同じやつを下さい」


と、頼んでいた。







ほんの些細なことだが、

私に気を遣ってくれているのが

わかった。






この人は不器用なのだが

優しい心を持っている。