蘭子のバカぁ。

お昼休み、蘭子が言ってきたのはこれだ。

『あんたお得意の花言葉よ。あんた男勝りなのにそういうとこ少女趣味なんだから生かしなさい。いーい?彼に毎日お花を渡すの。あなたの知識を最大限生かしてね。花流信じてるわよ、頑張ってきなさい!』

無理だよおお。持ってきたけど無理だよおお。

そして今私は、椿の下駄箱の前にいるのだ。

帰宅部の私は一度家に帰ってお花を一本持ってもう一度学校へ来た。なんという労力。

だってお家だとバレちゃうもん。(直接渡す気はサラサラないですはいごめんなさい)


私の手の中には、紫色のライラック。
――花言葉は、初恋。

ええいもうやけくそじゃ!伝わってくれ!!

椿の下駄箱の中に花を一本放り投げると一目散に逃げた。

それを、彼女に見られていたなんて知らずに。