「アハハ、そうそう、椿ちゃん。今日はこっちで朝ごはんなんだって」

「先、食ってるぞ」

がっくり、今あたしの首そうならなかった?

つーかあたしの箸だよそれ!別にいいけど!いいんだけどね!

椿はちっちゃい頃親が離婚して父子家庭になってからというもの、うちに入り浸る頻度が増えた。

うちはお父さんは単身赴任で海外…ベルリンに行ってるから、男手が足りない。

そうなると、お母さんは椿の手を借りることが増える。この不思議な関係が成り立ってしまうわけだ。

ご飯食べながら改めて椿のことを眺める。キレーな顔してんなー。そら、モテるわな。

「何見てんだ、惚れたか?」

「な、わけないだろーが」

「だよなー」

そんな戯言を交わすうちに、学校へ行く時間になった。